【タイ語単語学習】
十分な;適切な – พอ
目標単語
- タイ語: พอ
- 日本語: 十分な;足りる
- 英語: enough; sufficient
基本情報
- 品詞: 副詞、形容詞、動詞(文脈による)
- 発音(カタカナ近似): ポー
- 発音記号(学習者向け): phɔɔ
- 声調: 中声
- 【必須】正確な音声: [音声を聞く – ※ここに実際の音声リンクが入ります]
単語の解説
「พอ (phɔɔ)」は、タイ語で「十分な」「足りる」という意味を表す非常に汎用性の高い単語です。何かがある基準や量に達していること、あるいは必要を満たしていることを示します。また、「〜で十分だ」という満足感や、ある行動の完了を示すニュアンスも持ちます。文のどこに置かれるか、文脈によって動詞、形容詞、副詞のように機能します。
豊富な例文
- タイ語: อันนี้พอแล้ว
- 発音(学習者向け): an nii phɔɔ lɛ́ɛw
- 声調: 中声 → 中声 → 中声 → 上昇声
- 日本語: これで十分です。
- (補足): 食事の際など、「もう結構です」と断る際にも使われます。「แล้ว (lɛ́ɛw)」は「〜した」「〜になった」という完了や変化を表す助詞です。
- タイ語: มีเงินพอที่จะซื้อบ้าน
- 発音(学習者向け): mii ŋən phɔɔ thîi cà sʉ́ʉ bâan
- 声調: 中声 → 中声 → 中声 → 下降声 → 低声 → 上昇声 → 下降声
- 日本語: 家を買うのに十分なお金があります。
- (補足): 「มี…พอ (mii…phɔɔ)」で「…が十分にある」という意味になります。「thîi cà」は「〜するために」という目的を表します。
- タイ語: อาหารไม่พอสำหรับทุกคน
- 発音(学習者向け): aa-hǎan mâi phɔɔ sǎm-ráp thúk khon
- 声調: 中声 → 上昇声 → 低声 → 中声 → 上昇声 → 上昇声 → 高声 → 中声
- 日本語: 全員にとって食料が足りません。
- (補足): 「ไม่พอ (mâi phɔɔ)」で「足りない」「不十分だ」という否定形になります。「สำหรับ (sǎm-ráp)」は「〜にとって」「〜のために」という意味です。
- タイ語: แค่นี้ก็พอแล้ว ขอบคุณครับ
- 発音(学習者向け): khɛ̂ɛ níi kɔ̂ɔ phɔɔ lɛ́ɛw khɔ̀ɔp khun khráp
- 声調: 下降声 → 高声 → 下降声 → 中声 → 中声 → 上昇声 → 低声 → 中声 → 高声
- 日本語: これだけで十分です、ありがとうございます。
- (補足): 「แค่ (khɛ̂ɛ)」は「〜だけ」という限定を表します。「ก็ (kɔ̂ɔ)」は「〜もまた」といった意味合いの接続詞です。
- タイ語: เวลามีน้อย แต่ก็พอที่จะทำได้
- 発音(学習者向け): wee-laa mii nɔ́ɔi dtɛ̀ɛ kɔ̂ɔ phɔɔ thîi cà tham dâi
- 声調: 中声 → 中声 → 低声 → 高声 → 低声 → 下降声 → 中声 → 下降声 → 低声 → 中声 → 上昇声
- 日本語: 時間は少ないけれど、なんとかできるだろう。
- (補足): 「พอที่จะ…ได้ (phɔɔ thîi cà…dâi)」で「〜できるほど十分だ」という意味の慣用句です。
関連語・派生語
- พอดี (phɔɔ dii): ちょうど良い、ぴったり。
- พอเพียง (phɔɔ phiaŋ): 足りる、十分である(自給自足的な意味合いや、控えめな十分さを指すことが多い)。
- เพียงพอ (phiaŋ phɔɔ): 十分な、足りる(「พอ」の強調形や、ややフォーマルな表現)。
- ไม่พอ (mâi phɔɔ): 足りない、不十分な。
- พอใจ (phɔɔ jai): 満足する(直訳すると「心が足りる」)。
- พอได้ (phɔɔ dâi): まあまあだ、なんとかいける(満足はしないが許容範囲という意味)。
よく使われる組み合わせ(コロケーション)
- พอแล้ว (phɔɔ lɛ́ɛw): もう十分だ、もういい。
- พอไหม (phɔɔ mái): 十分ですか?
- มี…พอ (mii…phɔɔ): …が十分ある。
- ไม่พอ (mâi phɔɔ): 足りない。
- พอดี (phɔɔ dii): ちょうどいい。
- พอกัน (phɔɔ gan): 同じくらい、互角だ。(どちらも十分だというニュアンス)
学習のヒントと注意点
- 発音のコツ: 「พอ (phɔɔ)」の母音
ɔɔ
は、日本語の「オ」よりも口を大きく開けて、喉の奥から出すようなイメージで発音します。唇を丸めすぎず、少しだらんと開いた状態が近いです。カタカナの「ポー」だと、口の形が小さくなりがちなので注意しましょう。 - 声調の注意点: 「พอ」は中声(平声)です。音の高さは平坦に保ちます。タイ語の声調は意味を区別するため、正確な声調を意識して練習することが重要です。
- 使い方のポイント:
- 「พอ」は単体でも「十分だ」という意味で使われますが、文末に「แล้ว (lɛ́ɛw)」を付けて「พอแล้ว (phɔɔ lɛ́ɛw)」とすることで、「もう十分です」「もう結構です」という完了や断りのニュアンスが明確になります。特に食事を勧められた時などに非常に頻繁に使われます。
- また、「พอ…ก็…」という形で「〜するとすぐに…」という接続詞として使われることもありますが、今回は「adequate」の意味に焦点を当てているため、まずは「十分な」という意味の用法をしっかりマスターしましょう。
- 日本語話者が間違いやすい点: 日本語の「十分」は「十分な量」だけでなく「十分に(よく)理解する」のような副詞的な使い方もしますが、タイ語の「พอ」は主に「量や状態が足りる/十分である」という文脈で使われます。動詞や形容詞を強調する「十分に〜する」という場合は、
มาก (mâak)
やดี (dii)
など、別の単語が使われることが多いです。
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