【タイ語単語学習】
acquire : を得る,を習得する – ได้
目標単語
- タイ語: ได้
- 日本語: 得る、もらう、〜できる、〜した(過去の経験や完了)
- 英語: get, obtain, acquire, be able to, (have) done
基本情報
- 品詞: 動詞 / 助動詞
- 発音(カタカナ近似): ダイ
- 発音記号(学習者向け): dâi
- 声調: 上昇声
- 【必須】正確な音声: [音声を聞く – ※ここに実際の音声リンクが入ります]
単語の解説
「ได้ (dâi)」は、タイ語において非常に多義的で頻繁に使われる単語です。主に以下の3つの基本的な意味や役割を持ちます。
- 「得る」「もらう」「手に入れる」:何かを物理的に、あるいは抽象的に獲得する意味です。日本語の「得る」「もらう」「獲得する」「入手する」に相当します。
- 「〜できる」:能力や可能性を表す助動詞として、動詞の前に置いて「〜することができる」という意味になります。
- 「〜した」「〜し終えた」:過去の経験や行為の完了、または結果を表す助動詞として、動詞の後ろに置いて使われることもあります。
この単語は、文脈や置かれる位置(動詞の前か後ろか)によって意味が大きく変わるため、注意が必要です。
豊富な例文
- タイ語: เขาได้งานใหม่
- 発音(学習者向け): káo dâi ngaan mài
- 声調: 上昇声 → 上昇声 → 中声 → 低声
- 日本語: 彼は新しい仕事を得ました。
- (補足): 「ได้ (dâi)」が「得る」という意味で使われています。「งาน (ngaan)」は仕事、「ใหม่ (mài)」は新しい。
- タイ語: คุณพูดภาษาไทยได้ไหมครับ
- 発音(学習者向け): khun phûut phaa sǎa thai dâi mái khráp
- 声調: 中声 → 下降声 → 中声 → 上昇声 → 中声 → 上昇声 → 上昇声 → 高声
- 日本語: あなたはタイ語を話せますか?
- (補足): 「ได้ (dâi)」が動詞「พูด (phûut)」の後に置かれ、「〜できる」という能力を表す助動詞として使われています。疑問文では「ไหม (mái)」が後につきます。
- タイ語: ฉันได้เรียนรู้สิ่งใหม่ๆ ทุกวัน
- 発音(学習者向け): chăn dâi rian rúu sìng mài mài thūk wan
- 声調: 上昇声 → 上昇声 → 中声 → 上昇声 → 低声 → 低声 → 低声 → 低声
- 日本語: 私は毎日新しいことを学んでいます(学びを得ています)。
- (補足): 「ได้ (dâi)」が「学ぶことを得る」というニュアンスで使われています。ここでは「เรียนรู้ (rian rúu)」という「学ぶ・習得する」という意味の動詞と共に使われ、「知識などを得る」という「acquire」のニュアンスに近い表現になります。
- タイ語: วันนี้ฉันได้กินทุเรียน
- 発音(学習者向け): wan níi chăn dâi kin thú rian
- 声調: 中声 → 高声 → 上昇声 → 上昇声 → 中声 → 高声 → 中声
- 日本語: 今日、私はドリアンを食べました(食べる機会を得ました)。
- (補足): 「ได้ (dâi)」が動詞「กิน (kin)」の前に置かれ、過去にその行動をする機会があった、あるいはその行動をしたという完了や経験を表しています。
- タイ語: คุณได้รับอีเมลนี้แล้วหรือยัง
- 発音(学習者向け): khun dâi ráp ii meo níi lɛ́ɛo rʉ̌ʉ yang
- 声調: 中声 → 上昇声 → 高声 → 中声 → 中声 → 高声 → 下降声 → 上昇声 → 中声
- 日本語: このEメールをもう受け取りましたか?
- (補足): 「ได้รับ (dâi ráp)」は「受け取る、得る」という、よりフォーマルな、あるいは「得た」という結果に焦点を当てた表現です。「แล้ว (lɛ́ɛo)」は完了、「หรือยัง (rʉ̌ʉ yang)」は「もう〜したか?」という疑問を表します。
関連語・派生語
- รับ (ráp): 受け取る、もらう。物理的なものを受け取る場合に多く使われます。「ได้」よりも受動的なニュアンス。
- ได้รับ (dâi ráp): 受け取る、得る。上で述べたように、「得た」という結果に焦点が当たり、より丁寧な印象も与えます。
- เรียนรู้ (rian rúu): 学ぶ、学習する、習得する。「acquire」が「知識やスキルを習得する」という意味合いで使われる場合、この「เรียนรู้」が直接的にその意味を表します。
- หา (hǎa): 探す、見つける。また、お金を「稼ぐ」という意味でも使われます。「ได้เงิน (dâi ngoen)」で「お金を得る」ですが、「หาเงิน (hǎa ngoen)」で「お金を稼ぐ」となります。
- ได้มา (dâi maa): 手に入れる、入手する。何かを得て自分の手元に来たというニュアンス。
よく使われる組み合わせ(コロケーション)
- ได้ความรู้ (dâi khwaam rúu): 知識を得る、知識を獲得する
- ได้งาน (dâi ngaan): 仕事を得る、職に就く
- ได้เงิน (dâi ngoen): お金を得る、稼ぐ
- ได้ยิน (dâi yin): 聞こえる(「ได้」+「聞く」で「聞くことができる」→「聞こえる」)
- ได้ดู (dâi duu): 見る機会があった、見た(「ได้」+「見る」)
- ได้พูด (dâi phûut): 話すことができた、話す機会があった
- ได้ลอง (dâi long): 試すことができた、試した
学習のヒントと注意点
- 声調の正確さ: 「ได้ (dâi)」は上昇声です。日本語の「ダイ」とは異なる上昇のイントネーションを意識して発音しましょう。声調を間違えると、他の単語(例: 下降声の「ให้ (hâi) – 与える」)と混同される可能性があります。
- 多義性への慣れ: 「得る」「できる」「〜した」という複数の主要な意味を持つため、文脈で判断する練習が重要です。特に、動詞の「前」につくか「後」につくかで意味が変わることに注意してください。
- 動詞の前:「〜できる」「〜する機会があった/〜した(経験・完了)」
- 動詞の後:「〜できる(能力・可能性)」「〜してよい(許可)」
- 単独で動詞として:「得る、もらう」
- 日本語話者が間違いやすい点:
- 「できる」の意味で使う場合、つい日本語の感覚で「ได้」を動詞の前に置いてしまいがちですが、能力の「〜できる」という意味では、動詞の後に置かれるのが一般的です。例: พูดภาษาไทยได้ (phûut phaa sǎa thai dâi – タイ語を話せる)。しかし、動詞の前に置かれる「ได้」も「〜する機会を得た」や「〜できた(結果として)」という意味合いで使われるため、最初は混乱しやすいかもしれません。多くの例文に触れて、自然な使い方を身につけましょう。
- 「完了」の意味合いで使う「ได้」は、過去の経験や事実を述べる際に便利ですが、これは必ずしも日本語の「〜した」と完全に一致するわけではありません。ニュアンスは「〜することができた」「〜する機会を得た」に近いことも多いです。
この「ได้」はタイ語の基礎中の基礎であり、使いこなせるようになると表現の幅が格段に広がります。たくさんの例文を音読し、感覚を掴むことが上達への近道です。
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